オーストラリア移住を、他の国々とも比較して、メリット&デメリットを検証。

職種によるアプローチとニュージーランド経由

オーストラリアの永住ビザの要件を満たす事が非常に難しい場合や、
雇用スポンサーが必要なビザに関して雇用主が見つからないという
厳しい状況下で、

 

それでもどうしてもオーストラリアに移住したい場合の裏技として、

 

穴場的な職業を基にビザを申請する。
ニュージランド市民権を取得してから豪州の特殊ビザを申請して豪州に住む。

 

という方法があります。
裏技といっても、もちろん合法的な方法です。

 

Phouse

 

但し、あくまでも「豪州の居住ビザや永住権を取得する」という事が第一目的であり、
永住権取得の為に、現在自分の持っているスキルや職歴を生かす方法はとらずに、

 

仮に自分が全く興味が無くとも特別な職能を新たに身に付けたり、
仮に自分が全く興味が無くともニュージーランドの国籍を取得する等の
余分な時間やお金がかかっても「回り道」をする方法です。

 

 

まず、「穴場の職業」でのビザ申請には二通りの方法があります。

 

永住権付きSubclass189 技術独立移住ビザの「職能リスト」の中で、

短期間の専門学校通学等で習得できそうな職能を身につける。

 

例えば、リスト上にある「鍼灸師」は、日本や豪州の専門学校に2年程度通学すれば
技術を身につける事が出来ます。

 

Skilled occupation list (指定職能リスト)

 

近年、この職能リストの見直しがあり、以前は800種類以上もあった
職能が400種類程度に削減されてしまいました。

 

インターネット上で見かける「パン職人で永住権」や「寿司職人で永住権」
という方法は、現在ではSubclass189 技術独立移住ビザの申請では使えません。

 

現在ノミネートされている職能は、医者や職人等の特殊技術職種ばかりですが、
コンピュータープログラマーやウェッブデザイナー等の職種は、一般人にも
過去に経験があるか、習得するかという点で手が届き易い職能と言えるでしょう。

 

永住権付きSubclass186 技能雇用ビザの申請にあたり、

雇用主が見つけられやすそうな職能を習得する。

 

例えば、チャイルドケア(保育士)は近年豪州で数が不足している穴場的な職業。

 

専門学校で2年間のコースを修了すると、1年間のトレーニング&リサーチビザが
与えられ、その期間に就職先を探して技能労働ビザSubclass 457)を取得して
2年間勤務すれば、技能雇用ビザ(Subclass 186)という永住ビザが申請出来る。
※通常、学校がインターン等の職場を紹介してくれるので、そこで就職しやすい。

 

その他、洋食和食に関わらず調理師等の需要は常にある為、雇用主を見つけやすい
職能と言えます。

 

ニュージーランド市民権を取得する

近年のオーストラリアの移民の出身地の上位の国は、英国、インド、中国等ですが、
意外な事に隣国のニュージランド出身者も常に2,3割いると言われています。

 

しかも、そのニュージランドからの移民の出生地はニュージーランド以外の国である
割合が2割程度あるそうです。

 

ニュージーランドも移民国家であり、ニュージーランド生まれでない市民が
2、3割いますので、ある意味当然の数値ですが、実はこの中には最終的に豪州への
移住を目的としてニュージーランドに移住している人も少なからずいると言われています。

 

Phouse

 

歴史的な経緯等もあり、オーストラリアとニュージランドの間には特殊な政府間協定があり、
他の国々より人的交流が密な関係にあります。

 

例えば、ニュージーランド市民権保有者は、健康診断と無犯罪証明という要件だけで
Subclass 444(特殊カテゴリービザ)というビザが付与されて、ニュージランド市民である限りは
無期限でオーストラリアで働いたり留学する事が可能です。

 

つまりは永住権の様なビザですが、メディケア等の社会保障が受けられません。

 

両国の永住権に関してですが、
オーストラリア市民は、条件付きでニュージーランドの永住権を取得出来ますが、
その逆のニュージーランド市民はオーストラリアの永住権を取得する事は出来ません。
(但し、上述の444ビザで無期限に就労や留学が可能)

 

オーストラリアの永住ビザの申請がどうしても無理な場合は、裏技として
オーストラリア永住権より容易なニュージランドの市民権を取得するという回り道をしてから、
444ビザの取得によりオーストラリアに無期限で居住する権利を得て落ち付き、
更にチャンスがあればその後じっくり永住権に挑戦するという方法もあります。

 

インターネット上では、
「ニュージーランドの永住権を取得すればオーストラリアの永住権に切り替えが可能」
という間違った情報も流れていますが、下記の表の様に
ニュージーランド永住権は豪州の居住における優位性は何もありません。

 

「ニュージーランドの市民権を取得すればオーストラリアの永住権に切り替えが可能」
という噂も間違いで、厳密に言えば444ビザは永住権とは違います。

 

保有ステータス 相手国に適用できる事
オーストラリア市民権 ニュージーランド居住権ー>2年後永住権
オーストラリア永住権 ニュージーランド居住権ー>2年後永住権
ニュージーランド市民権 オーストラリア444ビザ(永住出来るが社会保障無し)
ニュージーランド永住権 特になし

 

方向性としては、豪州の方からが、常に融通が利きやすい理由としては、
豪州が政治的に強いというよりは、
豪州の方が仕事の機会がより豊富にある為に、
「ニュージーランドからの人材流失や労働者の移動が起こりやすい事を制限する」
という両国の政策的背景があります。

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